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……ん。
[微かな声が聞こえたか、気配に気付いたのか。ゆると目を向けた。
少し離れた場所に人影を見つけ、何度か瞬く。]
…加納、君?
[少しの間があって、数日前に寮の共用スペースで会話した少年の名を紡ぐ。]
[少し離れた剣道場に、人の気配があった。思わず近付いて覗き込むと、一心に竹刀を振るマコトの姿]
…………
[数刻、その姿を見つめ、黙って離れる。]
[むぐ、とおにぎりを一口頬張って、ふと視線を向けられる。
声に出した癖に、声を掛けられるとは考えなかったらしい思わずゆるりと目を瞬いた。
しかし、そのまま軽い言葉を掛けるのも憚られてて
肯定の言葉の変わりに、ぺこ、と軽く頭を下げる。]
…ういス。…邪魔しました?
[…何だか、佐久間センパイとは逢う度に何か食ってる、と
頭の端で考えながら、佇んだまま短く声を掛けて]
[昨日も一昨日も、そして今日も
吹奏楽部の練習室にはフユ一人である。
窓と扉を閉めきり、自然光だけが照らす空間に空調の作り出した風が涼やかに吹く。]
[夢。夢を見た。それは5年前にいなくなったコトネちゃんの夢
マコトの家の分家の一人娘だという彼女は休みにやって来るたびに私たちと一緒に遊ぼうと、マコトの後についてきていた
マコトは彼女のことを持て余していたようだけど、マコトが彼女に冷たく当たるたびに彼女が悲しそうな目をしていたのを何となく感じていた
私が口出しをして、彼女を輪に入れることも何度かあったが、それでもマコトの彼女に対する態度は素っ気無く、彼女は悲しそうな目をしたままだった
だからあの日。夏祭りを明日に控えた5年前のあの日。お節介にも私はそんな彼女の気持ちを伝えるためのひとつの作戦を立てた
……だが。まさか、あんなことが起きるとは思ってもいなかった]
[作戦といっても何てことはない。コトネちゃんに、黙ってマコトの家から出てくるように言い聞かせ、彼女が待っている場所へマコトが行くように仕向けるといった子供らしいアイデアだった
彼女にそこに居るように言った場所は祭りを控えた地元の神社の境内
その日口実をつけてマコトの家に居た私は、マコトが遠回りに神社へ来るように仕向けると、すぐに神社に向かい彼女に合流しようとした
だが、辿り着いた神社で目にしたのは、季節外れに満開の花を咲かせた境内の桜の木とそれを見上げるコトネちゃんの姿。私は呆然とその光景を見ていた
どれだけその光景に目を奪われていたのか。ハッと気がつくと石段を駆け上がってくる足音
結局私は彼女に声をかけることが出来ずに、そばの手水舎の後ろに隠れた]
[マコトとコトネちゃんが言葉を交わしているが、声は遠く断片的にしか聞こえない。
「どうして……」「だって…………から」「私は…………」「でも……」「…………一緒に居たいだけ、なのに」「………………」
そんな遠目からでも分かるマコトの煮え切らない態度に業を煮やし、私はマコトを叱責しようと飛び出そうとして
目の前の光景にその場で動けなくなった
突如コトネちゃんの胸から緋色の華が咲き、その場に崩れ落ちる。そして見えないけど何か得体の知れないものが這い出してきて。そいつはマコトを襲おうとして。でもマコトが叫び声を上げると、突然あたりを突風が吹き荒れて。私は思わずその場にしゃがみ込んだ
狂風が吹き荒れる中ガタガタと手水舎の陰で震えていたが、どれほどの時間が経ったのか、風が止むと私は恐る恐る顔を覗かせる
そこは辺り一面爪のようなものでズタズタに切り裂かれており、しかし倒れ伏せているマコトとコトネちゃんの周りだけはぽっかりと何事もなかったかのような状態で残っていた]
いや。
[短く否定の言葉を次いだ。手にしたおにぎりとそれを頬張る姿を見てか、口許だけが少し笑う。]
もう、飯時かな。
[そんな時間だったかと、携帯の表面に目を落とした。]
[私はその後神主さんの家に駆け込み救急車を呼んだ
マコトの方は、気を失っていただけで体に異常はなかったらしいが、コトネちゃんは即死。しかも、遺体に心臓がなかったということを通夜の時に大人が話しているのを聞いた
私は何も出来なかった。私があんなことを言わなければ、彼女が死ぬことは無かったのかもしれない。なのに、私はあの時ただ神社の片隅で震えていることしか出来なかった
そして、両親に連れられて彼女の通夜に行った時見たマコトの表情。そしてあの後暫くは私たちにさえ心を閉ざしていたマコトを見て
その時、私は一つの決意を固めた]
[ゆっくりと目を開く。額には少し温くなった濡れタオル。おそらく先輩が載せてくれていたのだろう]
…………結局、その半分は守れなかったな
[そう呟き、右手を天井に翳す。体のダルさはもう*無くなっていた*]
…そっすか。
飯時っつーか、…昨日、炭酸飲料オンリーで食いっぱぐれてたのを
何処かのセンパイが気付いたみたいで。
3つほど、部屋の前に供えてありました。
[返る否定の言葉に、良かった、とも謝罪も言えずに、言葉と共に頷いて。
続く言葉には、あぁ、と手元へ視線を落とし
小さく苦笑を零しながら、パーカーのポケットに突っ込んでいた
ラップにくるまれたおにぎりの一つを取り出す]
…あんま食欲旺盛って気分じゃないんで、折角なら1個どっすか。
[美味いっすよ。そういいながら相手の返事も待たずに、
手にとったおにぎりを相手へと放り投げて]
………やっぱ、駄目かぁ。
[門以外からの脱出も不可能なのかと、
外と内とを隔てる壁を片っ端から、
子犬の侵入ルートまで当たってみたが
成果は得られず、溜息を吐き出した]
漫画とかゲームであるよな、こういうの。
んで、……………
[解決方法は、生み出した元凶を叩く事。
単純だけれど、困難だ。
叢から抜け出て、纏わりつく草を払う。
足下で、子犬も同じように身震いをした]
[時が過ぎ往くを厭いもせずフユはただ、佇んでいた。
どれだけの間かは分からない。]
[フルートを、床と水平に構えた。
はじめの一音は静かに。
長く、深々と空気を震わせてから
はらはらと舞い落ちる。]
[再び、静かに長く。
一つ目よりも高い位置から伸び、再び散って落ちた。
落花が何枚かあとに続いては、憂いを滲ませる。
水面に落ちた花弁は、幾つもの波紋を作り
さざなみが静かに混ざり合ってゆく。
花弁は、水面の陰影を見つめながら沈んで行った。]
[ト短調のパヴァーヌは寂々と続く。
淡々と展開してゆくイメージ。]
[寮の方へ戻ろうとして、桜の木の近くにいる二つの人影に気付く。そういえば二人とも昨夜、食堂では見なかった、と思い当たった]
………
[声をかけようかとも思ったが、一人はまだ名前も聞いていなかった事に気付いて逡巡]
……オンリーか。
[随分壮絶な食生活だと思った。そういう自分も、昨日から殆ど食事は摂っていないのだが。]
何処かの、っつーと……っと。
[1人、その人物に思い当たったところで、小さな塊が飛んでくる。片手を伸ばすとその中にすっぽりと納まった。
目の前まで引き寄せて、]
イチ君か。ありがと。
……無事、だったんだ。
[先程の言葉を続けてお礼を述べた後で、ぽつり。]
[おにぎりを投げた直後、桜の木の向こう側から
近付く人影を見つけ其方へと意識を向ける。
最近見知った顔だと気付いて、ゆるく瞬いた。]
…えーと、天野だ。…部活?
[弓道衣のままの格好に、思わず語尾が疑問系に変わる。
ふと、そういえば前見た時に、弓持ってたな、と思い当たって納得して
ひらりと軽く手を上げながら、緩く頭を傾げ]
……いや、弓道場を借りただけだ。
[先に声をかけられて、ゆっくりとアズマに近付く]
天野久鷹、だ。君は…二年なのか?
[確か、ショウを先輩と呼んでいた気がすると思い出して、尋ねる]
…なんか、ないかな。
[コンクリートの敷き詰められた道に戻る。
日光を照り返す地面は、熱を抱いていた。
木陰から出た子犬の尻尾がびくりと跳ねて、後ろに跳び退る。
遅れて、ひゃんっ、と情けない声があがった]
あー。熱いもんなあ。
[尾を垂れる子犬を抱き上げ、タオルで脚を拭くと、頭に乗せる。
急に視界が変わって、黒い眼が幾度も瞬かれた]
[声につられて振り向き、漸くその存在に気付いた。]
…天野先輩。
[頭を下げた。
目の前の後輩が呼び捨てにしているのを聞きつつ、やはり少し変な感じだと思ったかも知れない。]
…炭酸で、腹膨らんだら食う気なくしちゃって。
[本当に、まともなモン食ってないな、と思いながら
言い訳にもならない言葉を返して苦笑を零す。]
ビンゴ、一ノ瀬センパイ。
差出人の名前が書いてあった訳じゃないッスけど
…まぁ、多分そーだと思うんで。
中の具は食べてからのお楽しみって事で。
[ちょっぴりロシアン気分でどーぞ。
最後の一口を口へ押し込んで、おかかにぎりを完食する。
続く呟きに一瞬無言で瞬くものの、深く問う事もせずに]
センパイも無事で良かったッスね。
……まぁ、何より、とは言えないっぽいですけど。
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