……でも。ここで諦めるのは間違ってる気がするんだ。[頷く少年と夜闇に向けて笑った。一度引き寄せられた兄の膝と手に、甘えるように頭をすりつけて。するりとその手から逃げ出した]賭けるって、決めてたから。[絶対に無駄だと分かっている。眉根を寄せながら、それでも走り出す体勢になった]無駄でも。いってくる。