―― 回想 ――
[ようやくちゃんと顔を見ることが出来たキリル。
自分から一歩下がったキリル。
不安になって、捕まえておきたくて]
[背後の不穏に気がついたのは、全てが遅くなったあと。
背中から引き倒されかけ、とっさにバランスとって、倒れる方向は背後の襲撃者がキリルに向かうには自分が邪魔になる方向へ]
くそっ
キリル逃げ………っ!!
[抵抗しようとして馬乗りになられて、襲撃者の姿を見た。
決死の抵抗がひるむ。彼女の兄だった。
なぜ。緊張感は(一方的に)あったが、いい関係を築けていたと思ってた。ここで殴ったらキリルに見られてしまう]
[その判断を後悔するのは鈍色が体に付き立てられてから。
最後に見ていたのはキリルの顔。
せめて目を閉じさせてあげたくて。でも出来なくて]