[故郷を飛び立った薬師の娘が、一人の若者に恋をした。やがて娘と若者は心を通わせ、新たな命が宿ったけれど。その命が光を知る前に、若者は遠くへ向かう事になった。若者は兵士で、行った先は戦場で。娘は故郷に戻り、若者の帰りを信じて待ち続けた──けれど。その願いは叶わなかった。祈りが届かなかった事を嘆いた娘は、生まれた命を自分の親に託して、泉に身を投げた。──とおい、とおい昔の『祈り子』のように]