─ 翌朝 ─[夜が明けて、紅の惨状が人目に晒されて。黒狼は、ゆるりと尾を揺らしてそちらへと。たどり着いたところで届いた巡礼のもらした言葉>>30に、笑うような唸り声がひとつ、上がった。やり取り眺める瞳にあるのは、愉しげないろ。己以外の亡霊の存在には、気づいているのかいないのか。瞳は今のところ、現に向いていた]