―聖堂―[撫でようと動く誰かの手が魂のかたちに触れる。心地よさげに亜麻色の尾が揺れた。] …………、[まどろむ意識に届く声>>+7に三角の耳がピクと跳ねる。器としてある事切れた獣と重なり隠れたままの女の、伏せた睫が小さく震えた。声に甘えてもう少しまどろみたい。朝に弱いカルメンはぼんやりとそんな事を思うけれど声の主のその顔が脳裏に過ぎる。もう会えない。もう話せない。そう思っていたひとの声に気付き、目を開けた。]