―― 墓下 ――
[閉じ込められた学校から、死んでも魂は出られない。
宮町春枝の幽体は、生者には見えない学校で、ただひたすらに階段を登っている]
[自分が殺した階段。自分が死んだ階段。
他の死者に見えるのは、1階から屋上までひたすら階段を登り続けている幽霊の影。屋上までたどり着けば、その姿はふっと消えて。また1階に出現する]
[時折、奇妙な悲鳴を上げて。転んで、もがいて。
それでも延々と階段を登っていく]
[宮町春枝の身体に触れれば、
きっとその瞳の焦点はそちらの世界に刹那合うのだろう*]