――…嘘吐きは否定できねぇな。
でも――…傷付いてなんていねぇぜ。
何も、傷付けられてなんて、いない。
[呪いの目だと謂ったクロエの眸。
漆黒の獣は其れを神の祝福と思っていた。
決して獣には与えられぬ、力、だから。
獣の本心は知れない。
彼女の言葉に負の感情を覚えた憶えは無い]
思わせないようにしてたから、仕方ねぇよ。
知られたくも、無かった事だしな。
――…謝るのは俺の方なのに。
お前を喰らって、終わりには、出来なかった。
[糧が如何しても必要だったから。
喰らった事は謝りはしない。
向けるのは感謝だと血に刻まれていたから]