―聖堂―
[包まれる手から伝う感触にふっと胸があたたかくなるのを感じる。
やさしさに触れた時の感覚に似ている。
夢じゃないというエーリッヒ>>+32にまた頷いて
呼びかける声の先を待つように少しだけ首を傾ける。
獣の姿を見られて知られたと思っていたのに
知っていたという彼を見つめる眸が驚きに瞠られた。]
――…いつから、……ううん。
エーリッヒが『影の護り手』だったなんて。
それなら、ずっと前から、知ってたの?
知ってて、ほかの人と同じように接してくれてたのね。
知られたら嫌われちゃうと思ってたのに、
そう、だったんだ。
[杞憂だったとしれば、肩の力が抜けた。]