[彼岸のどこかで。 自分を死なせてくれた男の魂が揺らぐのを感じた。 意識の一部がはがれて、彼の前に像を結ぶ]………………[なんと言えばいいか分からない。 ただ、少し困ったように、笑う。それは、きちんと両側で][彼と、目は合うだろうか。 自分を手にかけたとき、彼がどんなおもいをしたか。 何を抱えていたのか、知らない。 誰かを守るためか。衝動だったのか。 別に、どっちだってかまわなかった][ただ、深々と頭を下げた]