[そのきっかけについては知ることができるのは後に船内に残った記録を洗いなおした後になるか、
それともそのきっかけすらも掴むことはできなかったかもしれない。
船内に鳴り響く銃声、それから悲鳴と、怒号。殺せといった罵倒の声。
それは一箇所二箇所ではなく、いくつもの場所で広がっていく。
それと同時にそこかしこで散る血と、命。
転がるのは船員達の死体と、PMCと呼ばれる生命体の死骸。
船内の各所にすでにそれは広がっていて、寄生されているものが何名もいることが判明するとさらに殺し合いは広がっていくことになるだろう。
そんな船内の一箇所、クローディアはあるプログラムを船内のマザーコンピューターに組み込んでいた。
ようやく見つけたPMC発見の糸口、けれどもそれはとても不完全なもの。PMCが発する独特の電波のようなものを捉える方法。
ただそれは船内をチェックするセンサーを流用し、船内にPMCがまだいるかどうかを調べられるだけにすぎず、固体を特定するには至らない。
そして、自分が死んだ時のために、そのままでもできる思いついたたった一つの解決方法、それをプログラムに組み込んでおいた]