嵐が去った後、自衛団長はそう言って団員達に指示を出した。嫌そうな顔をするもの、真面目に緊張するもの、団員達の反応は様々だ。しかし団長の示した手紙には、結社だけでなく領主のサインすら入っていて。最終的には全員が頷き、指示に従い動き出すのだった。そしてその頃。港には壊された船の残骸に混じって、一体の死体が打ち寄せられていた。検死のために詰所へと運ばれてゆく遺体は損傷が酷かった。気づく者は気づいただろう。人が殺したにしては不可解な痕も幾つか見えたことに。