雨は、途中から叩き付けるような勢いで降り始めた。
陽の差し込む隙間がある通路を見回っていた自衛団員も、危険を感じて詰所に戻るほどの強さだった。
嵐に見舞われ、洞窟の外、本来は穏やかな川も表情を変え荒れ狂う。
嵩の増えていた水は川筋を越えて外まで溢れ出し。
一部は村と外を結ぶ洞窟の中まで勢い良く流れ込んだ。
夜半を過ぎても勢いの衰えなかった雨は、低い場所にある通路を完全に水没させてしまい。
泥水の溜まった洞窟は、到底通ることの出来ない状態になってしまった。
水が引くまで、どれ程掛かるものか。
もう何年にもなかった事態に陥った村は、孤立してしまった。