その日の夜明けは、少しだけ空気が重くて。幾人か、異変を感じるものもいたかも知れない。その答えは、陽が天に達した時に示される。陽と月が重なる刻──『蝕』の訪れ。『祈り子』が泉に身を投げ。『魔』が眠りについたその日と、同じ空。『封』の力が安定を欠く日──と、知る者はいたかどうか。 いずれにしても、陰りし空は、人の心に不安を呼び起こす。