お菓子の木がだんだんと実の数を減らしていく。そうして最後の一つをアナスタシアが取った時、異変は起きた。ほんの一瞬で。彼女の姿が消えた。力の痕跡を探ろうとも、そこには木のものしかないようだ。木は叩いても、枝を折ろうとしても、燃やそうとしても、すべての攻撃を流していく。あまりに攻撃されすぎると、反射されることもあったりした。少しすれば、一本の枝に小さな薄膜の球体が生る。お菓子と同じように生ったそれには、一枚の手紙が入っていた。