儀式の時とは打って変わって静まり返った月の玉座。金色の蝶の翅を持つ黒髪の王は、難しい面持ちで祭壇の前に佇んで。結界内に取り残された者たちが集まると、ぐるり、その顔を見回してから、重々しく口を開いた。『秘宝』の盗難、離宮ごと封印された女王。祭り会場は女王の力により閉ざされた事と、ここに残っている者の内誰かがその犯人である事。……ちなみに、女王が団長に名前を伝えていなかったので、王にも誰かはわかっていないらしい。