その音が響いた後、アナタの許をメイドが訪れて。
変わらぬ無表情のまま、彼女は淡々とこう告げる。
「主人が『鬼』に喰らわれました。
『取り決め』に従い、これより、『ゲーム』の開催とさせていただきます。
地下の武器庫を解放しましたので、牙なき方はご自分に見合うものをお選びください。
皆様のお世話は、これまで通りさせていただきます。
『ゲーム』に関わらぬ御用向きは、どうぞ遠慮なくお申し付けくださいませ」
澱みなき口上を述べた後、メイドはその場から一度姿を消す、けれど。
衣食の世話はこれまで同様、過不足なく行われるだろう。
ただ、それ以外──『ゲーム』に関わる事、そしてそれを逸脱する事を求められたとしても。
彼女たちがそれに応じる事は、ない。**