『『秘宝』を持ち出したのが何者か、その意図が何かは知れぬが、かの宝珠はこの妖精界の至宝。 界の外へ持ち出される訳には行かぬ。 よって……犯人は速やかに名乗り出るがよい。今なら、女王も穏便に事を済ませるはずだ。 ……名乗り出ぬのであれば、怪しき者を順に、空間の狭間に築いた反省房へと送り込んで仕置きをする。 『秘宝』は、妖精界の、そして、数多の界の平穏を支えるもの。 ……界の外へ持ち出すわけには行かぬのだ』そんな、一方的な宣言の後、王は背の金の翅をゆっくりと羽ばたかせた。**