─月の玉座─
金翅の王は、未だ祭壇の傍で物思う態。
されど、訊ねるものがあったなら、金の瞳は静かにそちらへと。
問われたならば、騎士団長の気配が反省房にある事への肯定を返す。
『……これが、『秘宝』を手にした者の意思であるならば。
我らも、相応の術にて対さねばなるまい?』
要約したなら、手段を変えるつもりはない、と。
それだけを告げた後、金の瞳は閉ざされ、それきり言葉が返される事はない。
……実は、結界内のバランス取りを頑張っている、という事実は、哀しいかな、多分誰にも伝わっていないわけだが**