[ハインリヒに少し嘘をついた。
確かに現在能力が不安定で誰かのコエを聞きとってしまっているが、その他のコントロールはきっちりできている。
今回はわざと無自覚を装って、風を吹かせただけだ。
無自覚に風を拭き荒らしていた「あの時」とは違うのだ]
[鍵の書事件でコツを掴んだのも大きいが、
ユリアンの成長は、確実にとある人物のお陰である。
風のコントロールをミスると、露骨に口をだし
そして態度も悪くなって、店に来なくなる。
ユリアン自身、愛する対の彼女(彼?)を
傷つけたくなくて、死ぬほど特訓した。
学校のテストよりも頑張った。ええ、そりゃあ、もう]