[ハイン殿との会話は耳にしておらねど、私には風人の青年が自らの意思を持って血の匂いを払って下さった事を知っていた。
もちろん、彼の努力の理由について知る事はありませなんだが]
[彼女であり彼である対が、口も手も態度にも文句出していたり。
上達が見られるまで店にまったく顔を見せなくなったり。
あまつさえ怪我(青年の勤め先へ卸したグラス作品含む)でもしようものなら、工房に引きこもり消息不明になったりしたのだとは知るよしもない]
[特訓の成果が見られたならば。
からかいめいた御褒美のキスを、頬に落としたりした事も――]