― 宿屋 ― 皆、只今なのだよ …結局、おじいちゃんは黙った儘だったけど…[結果は覆ることはなかった。簡潔に其れだけ伝えると娘はクロエを気にする素振りを見せ、ベッティが部屋の準備をして呉れるなら終わるまで待つつもりでいた。イレーネ達に続きブリジットも戻ってきたならば、ほと一息をつく。今は未だ、待つことしか出来ない事に歯がゆさを感じていはいたが。結局の所、自分にできる事と云えば、クロエを案じる事と、少しでも皆の気を紛らわそうと嗜好品や必要な物を持ちこむ事くらいしか出来なくて。]