[悲鳴に似た声をあげた聖獣に、黒猫はゆらりと近付く]『麒麟殿、今、あなたに壊れてしまわれては、私も困るのですよ。レイディのご意向でもありますしね』[ささやきは、騒ぎに紛れ周囲には聞こえなかったろう]『愛し子の元で、おやすみなさい…』[そして、黒猫は影に溶け、その影の中に、聖獣の姿も消える]