[あちらこちらでカオスが発生しているのは、実に暢気に眺めるに留め──て、いたのはまあ、いつもの傍観者気質もあるが。
事態に対応できそうにない、ついでに『関わりなさそう』な生徒たちを外に出すための呪を編んでいたからだった]
……ふむ。
そろそろいいか……ラヴィ、サポート頼む。
[ぱらり、と。手にした漆黒の『魔本』をめくり、傍らの水晶龍の名を呼ぶ]
……界と界の狭間に在りし力の壁。
一時、我の呼びかけに応じ、外への道をいざひらかん。
[静かな声で唱えられる呪は、一時、結界に綻びを生じさせ。
ギュンターに点呼を頼んで集めておいた、『関わりなさそう』な生徒たちを、そこから外へと放り出す。
大掛かりな術に伴い、ふわふわがぽんぽん増えたのはまあ、不可抗力。
とりあえず、それらは水晶龍が絶妙のアシストでどっかへ飛ばしていた]