─意識の内側─
『そんなに気にしない、エリィはエリィなんだから』
[そう言って、撫でてくれたのは銀狼に転じる父]
──それは、そうだけど。
『与えられたものを受け入れ、生かすのが、一番やり易い生き方だよ?』
[それは、自身の力を生かして独りで生きてきた、という祖母の口癖]
──それもわかってるんだけど。
『お前は、幾つもの『想い』の結晶みたいなもんだ……だから、嫌うな。自分自身を』
[幼い頃に飛ぶ術を、その楽しさを教えてくれた蒼い瞳の見知らぬ人は、こう言って撫でてくれた]
──自分が、嫌いなんじゃない……けど。