―宿屋―[>>1:487ゲルダの小さな声は老女の萎えた耳にもしっかり届いて。微かながら決意の込められた視線と、声色に、深い笑みを見せる。頑張りなさいとも言えずゲルダからは離れて。]それじゃあ一旦お暇するわ。荷物を持ってこないといけないし…。[それにやっぱり一度、夫のところにも顔を出そうと、宿を後にする。]アーベルくん、お茶をご馳走様。女将さんもありがとう。[やや曲がりかけた腰をさらに曲げて、一度宿屋を出た。]