─台所─[繰り出した刃は、確りと相手を捉える。食い込む感触が、腕に伝わった。『護り手』としての高揚と。ただの自分としての混乱と。二つの間を揺れながら、ぎり、と突きたてた短刀を回した]……なんでっ……。[口を突いた言葉は、どこへ、どんな意味で向いたのか。それは、自分でもわからぬままに]