― 宿一階 ―僕はクロさんが間違ってるのを知ってた。[目を細めてこちらを見ていた薬師が笑った。これまで浮かべていたことのないような笑みに見えた]だって判るのは、僕だ。[行商人>>1が薬師の背後を絶った。胸の前に構えたまま、胸に突き刺そうと駆け寄った。腕で振り払われた。簡単に弾き飛ばされて、床に倒れる。手から抜け落ちた銀はカラカラと、駆け寄ってくる学者>>0の足元へ転がっていった]