[暖炉の前で寝そべっていた白猫が飛び起き、威嚇するように鳴いてユリアン達の方を睨む。
今はまだ濃くはない血の匂いに反応したのだろう。
白猫が睨むその先で、力を失ったリディの身体が床へと倒れ込んだ]
あ、あぁ、ぁ……
[『人狼』に襲われた遺体は2度も見た。
決して慣れることはない、けれど、この場所で死が生み出されてしまうことは理解出来ていた、はずなのに。
目の前で起きた、人の手により生み出される死は、酷く衝撃的に感じられた。
ナターリエはカップを取り落とし、両手で口元を覆ってその場に座り込んでしまう。
見開いた瞳は、その場に立つユリアンを見詰め続けていた*]