―東殿/回廊―[大地の竜から腕輪を奪おうとするより先に、心に届いた痛みの気配に意識は加害者であろう流水の竜へと向いた。邪魔者を排除しようと――結界へ送り込もうと目に見えない心の力を伸ばす。それと同時に傷を負ったオティーリエへと視線を向ける。目が合ったのは一瞬だった]――…オティーリエ![心の声ではなく唇から零れた名は、彼女の本当の名]