[がさり、茂みを掻き分けると、そこにはお守りが落ちていた。]
ぁ。
[呟いて、拾う。百華の血塗れたお守りを。
小さなそれは、子供が扱うには丁度いい大きさで。
柄を握って、くるりとかえす。血にぬれたそれは、日の光に照らされ鈍く光った。]
おばちゃのおまもり、だいじにしないと。
[悲鳴をあげる原因の一端となったそれを、無くさないようにと絵本の中に挟みこんだ。
そうして周囲を見回すと、近くに桜の木があった。]
………おうか?
[いるかなと思い、見上げて捜すが姿は見えず。
ててっと近づいて、ぺとり、片手を木につけた。]