― 黒珊瑚亭/五号室 ―[目の前に現れた親友>>+58は変わらぬ姿に見えた。毛玉のように丸くなっていた獣の尾が無意識にゆらと揺れる。アーベルの言葉にきょとんと朱金が瞬く]探してたのか?[思いもよらぬ事だったから不思議そうに獣の頭が傾ぐ。距離が詰まり、気付けばすぐそこに彼が居た]お前が選んだ事じゃないだろ。謝る必要ない。謝らなきゃいけないのは俺の方だし。[苦笑いながら伸ばされた手が傾いだままの頭にのる。上目に見上げ、それから困ったように視線を下げた]