――訓練所――
[あの日教えられた恐れと悲しみ。
胸に生まれた怒りと憎しみと、前に進む覚悟。
護国のため自分にできること。
それは、まず、武器を手に戦うことだと思った。
――小さい頃からよく猪突猛進と言われてきたが、まあその通りで、魔法の力を自覚した後は、鬼より猪や熊が出る片田舎を飛び出してこの学校に来たのだ。
入学したのは16歳になる年。
小さい頃から山で遊び自然に挑み、運動部をいくつか掛け持ちしていたため、運動神経には自信があった。
しかし武道などの心得はまったく持っていなかった。
魔法の使い方もちんぷんかんぷんななところから。
今でも何の武器を主に使っていくか決めておらず、さまざまな武器に触れ、先生や先輩たちを眺め、習い、練習しつつ、自分に向くものを探し中である。
魔法オンリーよりは、なにか武具を持ちたいとは、日頃から言っていることだったけれど。]