─ 厨房 ─
……話さなければ、ならない事?
[呼びかけに返されたのは、首肯と予想外の言葉。>>5
それに首を傾げるものの、今は、と意識を切り替える。
同席の是非については、同行に拘らなかった時点で口出しする気もなく]
先に、ウェンデル君から、貴女が人である、という言葉を得た。
だが、私と彼では同じ者が違って見える、という事実を知ったばかりなのでね……その言葉、そのまま受け取るのは現状難しい。
だからと言って、己が力で確かめる、という短慮は避けたい。
……先はそれで、無為に命を散らしてしまったから。
[そう呟く刹那、瞳は僅かに伏せられて]