[その不安が的中したと判ったのは、三度目の魔本の魔力のゆらぎを感じ取った時。エーリッヒの時と同じようにこちらに向かってきた力は、やはり身構えた自分ではなく、目の前のミリィの上に光の欠片となって降り注ぎ]
彼女も違う。…とは、もう判っているんだろうな?
[一度、止めようと伸ばしかけた手を、今度は途中で握りしめ、叫ぶのではなく、低く静かな声で呟いた。そして、ゲートの中に吸い込まれようとするミリィに、なんとか笑みを見せようとする]
ミリィ、外に居るみんなに、こちらは大丈夫だと…
[伝えてくれ、と、言い切る前に、光のゲートは彼女と使い魔の両方を飲み込んで無情に閉じた]