― 黒珊瑚亭/五号室 ―[頭にのるその手の重み。下げた視線の先に見えるふさふさとした獣の毛並み。そこで漸く己の姿を思い出した]あーあ、見られちまったか。ってか、なんでこの姿でわかるかな。[返事をしたからだと理由は思い浮かぶが態と拗ねた風に言いやり潤み掛けた朱金の双眸を向けた]