まったく…旨い酒にありつけると思えば碌なもんじゃねえな。
終焉の獣に狩られるなんざ悪夢もいいところだ。
気づかれねえ内にさっさと見つけ出して…狩ってやる。
[廊下の暗がりに低い呟きを落とし、食料を求め動く。酒も食料も泉の傍に置いてきた。ポケットに残るのは鞘をしたナイフを探り警戒しながら動く。
やがて辿り着くのは全ての廊下と繋がるだろう玄関ホール。見開く目に映るのは緋の原にも負けない色鮮やかな大輪の緋]
…チクショウめ!
[踏み潰された彼岸の花に似た緋が番人のものだと認識した瞬間、感じたのは焦燥と憎悪]