―ゲルダ宅前―
[体調を悪く、とその言葉には自分は首を横に振り、それならすぐにゼルが気付くはずだと、その言葉で納得してもらえただろうか。
ぽつりとウェンデルがもらした言葉はその場にいなかった自分に届くことはない]
ゲルダっ!
[店に入り、呼びかける声にも、コエにも反応はない。
ただ、その場所にゲルダが先ほどまではいたであろう痕跡のみを残して、彼女の姿を見つけることはできなかった]
親子は…似る…か。
[彼女の死の原因は自分によるところが大きいのだろうと、そうとしか思えずにいた。
消える前の、そのときのことを思い出しながら]