― 一階・階段傍→空部屋―
ああ、ごめんね。お願いできるかな。
[少女の申し出>>128に頷いて、駆けて行く彼女を見送って。
もう一人の男性は、他の者に訃報を伝えに行っただろうか。
それから奏者に手を差し伸べる。彼がこちらを疑う様子はなく、内心でほくそ笑む]
熱、あるじゃないか。
[立ち上がらせたところで体温が高いのに気がつき、眉を寄せながら、近くの個室の扉を開けた。
元は逃げ出した使用人の誰かが使っていたのだろうか。整えられてはいないベッドの縁に彼を座らせる。
二人きりになっても向けるのは未だ、彼の知る「ハーヴにい」の顔。
水を取りに行った少女もじきに戻るだろうし、彼女も含め、部屋に連れて行くところも見られている。
だから今すぐに手を下すことはなく]
毛布被って、休んでおきなよ。
後でまた来るから。
[そう言って、一度部屋を出た]