―一階・広間(暖炉傍)―
[妹の内心が解るわけではないが、多少は読めるものがあり、時折彼女もこちらを羨ましく思っているのは感じていた。
お互いにないものを求めるあたりは、やっぱり似ているのかもしれないと思っていた。
互いが、互いを埋めあうことは、二つの身に分かれた時からできないことなのかもしれない
それでも、二人でいれば補いあうことはできると、自分はそう信じたかった]
なに?
[エーリッヒが息を吐く様子に思わず反応してしまってから、
続いた言葉に意識はすぐそっちに移った]
教会関係の人が、ずいぶんと多いんだね。
[祖母が健在の頃はエーファはよくそっちに出入りしていた気がする。
自分は初めの頃は何回か一緒に行ったが、徐々に教会の存在は好きになれずあまり行かなくなっていた]