[頭を振り立ち上がる。聞こえるのは悲鳴と、敬愛する主人の咆哮。]―――――エウリノ![呼ぶ名はいつものものではない。赤い世界で囁いた真名。傷つけられる人狼の姿に悲鳴を上げた。ティルに飛び掛るユリアン、それを防ぐエーリッヒと、赤い壁、その明らかに特殊な力に、きっと睨み、小さく呟く。]『守護者』…![だがそれも一瞬で。外へと逃げた主の後を追うべく、他の人間がユリアンに気を取られている間、そっと入り口から外へと駆け出した。]