[玲の言葉は聞いていたが、今はどうでもいいことだし、そう思われても別段気にはしないもので。表情は変えない。
蓮実と、榛名の掠れた声から、薬は飲んでいることを確認して。]
榛名さん、大丈夫?ううん、謝らなくていいから。
家まで…はちょっと遠いかな?
旅籠の一階で休ませてもらおうか。
[旅籠へは戻らず何処かへ向かう聡を見ながら、ならば近いほうがいいかと判断して。
蓮実には軽く頷いた。]
ええ、運ぶのとか慣れてるから任せといて。ドア開けといてー。
[そう言うと、榛名をひょいと抱えあげ、すたすた歩き出した。]