[噎せ返るような血の匂い。旅人の流した血の生々しさにきつく眉が寄る。は、と息を吐き出して、ユリアンに視線を向けた]人さらいの、末路とみて相違ないかい?[尋ねた後、ハンスの方へと歩み寄る。ライヒアルトが彼の瞼を伏せるを認めれば立ち止まりその様子を静かに見つめた後、隠すものの無い男の手指がハンスの首筋へと触れる。すでに脈は感じられない。生死を己で確かめるだけの、所作]――…事切れているね。[ゆると頸を横に振り、それを口にした]