[陽の麗人と共に、私は外へと踏み出す。風が運ぶ血の香りに僅かに足元がふらつくも、側にある手が影から支えてくれようか]……すみませぬ、もう大丈夫ゆえ……。[緩やかに頭を振り意識を保てば、手から離れて数歩進み――怪我人の姿を探す。なれど血の付いた治療具はあれど、包帯を巻くよな姿はなく、私は不安げに辺りを見回した]……あの、どうかなされた…なりや…?[動揺を浮かべる様子に、私の尾も不安に揺れる]