[刀を抜くと、多量の血が出て己を濡らす。暖かな血に微か視界が細まった。この感覚は久しく感じていなかったものだ。過去を思い出し、高揚した部分があるのは否めないアーベルにしか見えぬ距離で、一瞬、笑みが浮かぶが。崩れ落ちるアーベルを見下ろす時には、それも消えていた。]