ぐっ……げほっ…。[口の中に鉄錆の味が広がる。口許を押さえて呻いたけれど、その場に居るのは危険すぎる。だから、苦しいのを我慢して廊下を駆け出した](バレた。皆にバレた。 このままじゃ殺される!)[逃げる友梨の後方、春が事切れて尚その上に圧し掛かっていた黒紅狼も友梨の後を追い駆け出す。見るものが見れば、その足元と友梨の影が繋がっていたことに気付くことが出来ただろう]