─ →室内庭園 ─
[通路の奥にあったのは、普通ならなかなかお目にかかれない室内に広がる庭園。
一瞬、その光景に面食らってしまったけれど、その中で起きていた血腥い状況に僕は我に返った]
なっ……!
[『鬼』を見つけたと言ったジラントが、ベルナルトに鉈を食い込ませている。
ベルナルトもまた手にした短剣をジラントへと突き刺しているようだった]
もしかして、ベルナルトさん、が。
[極小さく、推測を口から零す。
この光景はそうとしか考えられない。
そうでなくば、ジラントがベルナルトと対峙している理由がつかないのだ。
僕が目にしたのは丁度勝敗が決するところ。
どちらかが、もしくは両方が動かなくなってから、僕は紅に濡れる者達の傍へと歩み寄った。
オリガが何かを感じ取っていたかもしれないけれど、それを聞く機会を得損ねたと僕が気付くのは、もっと後になってからのこと*]