[流水が呟き、機鋼の仔が顔を上げ、影輝が弱まっても、窓の外――消えた月闇の竜が居た場所に視線を向けた青年は気付かずにいた。けれど直に名を口にした事など忘れたかのように透明な心の力をナターリエへと伸ばし、絡めとろうとする。大地の竜の腕輪に手は添えられていたが、ナターリエの呼びかけに応える事は無い]