[壁にgrungeがぶつかる音が響く。
すぐさま駆けて暖炉の傍にあった火掻き棒を左手で掴むと、そのまま振り被ってgrungeへと振り下ろした。
けれど、壁際に居たために切先が壁に引っかかり威力が減じ、一撃目はgrungeの頬を掠るに留まる。
舌打ちの後、火掻き棒を右手に持ち替え、逃げようとするgrungeの胸倉を掴もうとした。
だが、彼が暴れたために伸ばした左手は弾かれ、更には意図せぬ拳が自分の左頬へと届く。
よろけることは無かったものの、その一撃で口の中が切れ、鉄錆の味が口の中で広がった]
こッ、の──!
[思わぬ反撃に頭に血が上り、握っていた火掻き棒をgrungeに突き刺すべく右腕を動かした。
火掻き棒の切先がgrungeの腹部へと吸い込まれていく。
その一撃では動きを止められても、致命傷にはなり得ないだろう。
刺した箇所から赤を零しながら前のめりになる彼に向けて、留めの一撃を振り下ろした。
狙うのは、前のめりになることで低い位置になった彼の──頭]