[変わってしまった、と>>4:*23。そう言われて、首を横に振りそうになって。
その通りだ、と胸の内の何かが告げる。
それでも「彼」の、「アレクセイ」の言葉を否定しようとしたところで]
え?
騙してた、って、 ………。
[どういうこと、と口にしかけた言葉はコエにならぬまま。
やがて「彼」から告げられたのは女の名>>4:*24。]
そう、なのね。
最初っからずっと、あなたは「貴女」じゃなかったん、だ。
お兄さんのフリなんて、して。
[何故、と問うことはしなかった。
ただ確かに彼女――アレーナは自分を欺いていたのだと、意識した。
湧き出てくるのは憤りのようで、けれど亡き人の存在と共に告げられた秘密に、哀しさに似たものも覚えて。
ぐるりと渦を巻く思いは、自分自身でもその形が掴めずにいた。]